昨晩から雪が降り、日付が変わるころには四条通にも雪が積もっていました。
西洞院通などは積もっていなかったりして。なんでかなー?ふしぎです。
土の上にある雪はとけていないのにコンクリ舗装の上はとけていたり、屋根や葉っぱや車の上は積もりやすかったりと、どういう違いがあるのでしょうか。これってトリビアになりませんか?
ネットで調べると、アスファルトは暖かく土は冷たい、土は熱伝導性が高いので雪と温度が変わらないなどと書いてありました。
なるほど。同様に鉄(車両)は熱伝導性が高いので溶けにくいということでしょう。
瓦も釉や焼成温度によりますが、磁器寄りであれば熱伝導性が高く溶けにくい、陶器(素焼き)寄りであれば気泡が多いため、熱伝導性が低く日中の熱を保持しているため温かいままなので溶けやすい、ということなんでしょう(土鍋の保温性の説明みたいだな)。
素材の熱伝導性の違いから、というのは合理的な説明だとも思います。
そういえば、橋の上のアスファルトって凍りやすいですよね。凍るということは一度溶けた後に融点温度以下になったということなので、融点以上から融点以下にそんなに簡単に温度変化するものなのか?という疑問もあります。
それにヒートアイランド現象とかいう言葉ありますけど、あれも廃熱や緑化以前に舗装が熱いっていうのも原因でありますし、それに夏場のコンクリの家って夜も熱蓄えててかなり暑いです。
そもそも土のほうが熱伝導性高いっていうのは本当なのかということで調べました。こういうときは論文に当たれ。先行研究があるはずです。土木誌あたりで。
ありました。
浅枝隆,藤野毅(1992),「舗装面の熱収支と蓄熱特性について」,水文・水資源学会誌J. Japan Soc. Hydrol & Water Resour. Vol. 5. NO. 4 (1992)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshwr1988/5/4/5_4_3/_pdf
表1 供試体の物性
熱伝導率λ (W/m^-1・K^-1)
アスファルト 0.74
コンクリート 1.69
土(乾燥) 0.04
土(含水比0.35) 0.17
土よりコンクリ・アスファルトのほうが熱伝導性高い…??
逆ですやん!!
よって「舗装よりも土の熱伝導性が高いからコンクリに積もる雪は溶けやすい」という説は棄却されたわけです。
きちんとした文献に当たらないといけない。ネットの情報をうのみにすると失敗する例ですね。
それっぽい説明だとだまされやすいです。
戒め。
熱伝導以外にも、どれだけ日中の熱を蓄えるか、その熱を放出できるかというのもかかわっていると。ふむふむ。
舗装下の土の蓄えられた熱が雪の溶けやすさに関わってくると。
アスファルトでは日中気温と表面温度の差が非常に大きくなるため顕熱量は(1)式の熱収支法で求めた結果最高350W/m2にも及び,夜間においても表面温度は気温より高く,
土では夜間になると地表面の温度は気温とほぼ等しくなり,地表面での熱の出
入りは生じなくなる
これが答えなのでしょう。
「アスファルトの深いところやその下の土が昼間に温まり、夜間もまだその熱を放出しているので表面温度が高い(から溶ける)。土は地面と気温の温度に差がない(から溶けずに積もる)」
ということでした。
おしまい
(なんか小学生の夏休み自由研究みたいなテーマでした)